アメリカ&カナダの氷河系国立公園巡りの旅、5日目の記録です。
何度も前振りをしてきましたが、旅行4日目(7/22)の夜、ついに大ハプニング発生です😱😱
22時頃 山火事による避難命令が発令される
我が家はこの日は早めに就寝しており、21時過ぎには電気を消していましたが、この日はなぜか全員うまく寝付けず、アラートが鳴った時にはみんな起きていました。
アラートの文を読んでびっくりして起き上がり、「え?ほんとうに?」と夫と顔を見合わせました。
窓を開けると明るくて、煙で白く霞んでいて、灰が舞って焦げ臭いし、何となく暑い。(この時は火事の火のせいで明るいのかと思いましたが、日が沈んでまもないからまだ明るかっただけでした。)
他の人の様子を見ようと廊下へ出ようとしたら、男の人(お客さんか従業員かは不明)が各部屋のドアを叩いて回って「Didn't you see the alert? Evacuate. Now.」と言っていました。
とりあえず今すぐ避難ということは理解。
日本在住者なら、誰でも台風や地震によるアラートを受け取ったことがあると思います。我が家も何度も受け取ったことがありますが、避難したことは一度もありません。なので、アラートがどれくらい本気なのか、すぐには判断できませんでした。夫は「今すぐ逃げなくても大丈夫でしょう。」と思っていたそうです。
荷物をどうしたらいいのか迷いましたが、他の人がスーツケースを持って階段を降りていたので、荷物は持って行くことに決めました。
冷蔵庫で冷やしていた水も、翌朝のお弁当作り用に出しておいたレトルトライスやカップ麺も、避難した後の飲食用に必要になるかもしれないので全部荷物に入れました。
そして、全員にトイレに行くように指示して、私はズボンだけ着替えて、アラートを受信してから5分くらいで部屋を出ました。
子供達はびっくりしながらも、冷静に荷造りを手伝ってくれました。特に娘は、緊急時にはいつもよりしっかりするみたいで、私の指示に従ってテキパキ動いてくれ、夫も感心していました。
駐車場へ行くと、まだ車はたくさん停まっていました。車に荷物を積んですぐに出発。
アラートには「16号線を西へ」と書いてあったので、ナビをマウントロブソンにセットしました。
22時15分 ホテルを出てすぐの街の中
22時18分 16号線に入ったところ
22時20分 渋滞が始まる
渋滞にハマって車が動かなくなったら、なんと息子はDVDでハイキュー!!を観出しました👀 「えっ!?この状況で!?」と思いましたが、子供達が怖がったり渋滞にイライラしたりすることなく過ごせたので、息子のこの行動は素晴らしかったと言えます👏
22時23分 夫と私の家族へ連絡
渋滞で車がほとんど動かなかったので、昨年のハワイのマウイ島の山火事のことが脳裏によぎり、「もしかしたら死ぬかもしれない」と心の中で思いました。(夫はそんなことは思わなかったらしい。)
実はアラートは避難中何度も送られてきていて、1回目のアラートには「The fire is expected to reach the community in 5 hours.(=火は5時間で街に到達します。)」と書かれていました。
そのあと割とすぐに、「The fire is NOT expected to reach the community in 5 hours.(=火は5時間で街に到達しません。)」というアラートに内容が変わったのですが、2回目以降のアラートを読んだのは渋滞にハマってしばらくたってからだったのでした💦
渋滞でほとんど動かない中、5時間で火が来るかもしれないという時の恐怖たるや…。
というわけで、念の為夫と私の家族に「山火事でジャスパーから避難中」と連絡しました。メッセージを打つ手が若干震えていました。
23時10分 1つ目の交差点を通過
みんな同じ方向に向かっているはずなのになんで渋滞になるんだろう、と思いますが、街を出るためには2つの交差点がありました。
16号線は片側一車線。反対車線を走る車は基本いなくて、たまに公園関係者らしき車が通るくらい。
途中、マナー違反で反対車線を通って割り込んでくる車が数台いました。↓の左側の黒い車は割り込み。
でも、ほとんどの車はきちんと並んで順番を待ち、大きな混乱もなく、少しずつではありましたが、渋滞は進んでいきました。
↓1つ目の交差点を抜けて2つ目の交差点を待っている時のナビ。交差点を超えれば渋滞はなさそうで、ちょっと安心。
2つ目の交差点には交通整理をしてくれる人がいました。ありがたい。
23時40分 渋滞を抜ける
ホテルを出発してから1時間半ほどで、ジャスパーの街中を脱出!!渋滞中は本当に長く感じました。
少し進むと、反対車線にたくさんのトレーラーが停まっていました。
僻地に、夜中に物資を運び込んできてくれる人達。トレーラーがUターンできる場所は限られているので、おそらく一般車がいなくなるまで待機せざるを得なかったと思います。
今までの旅行ではあまり考えたこともなかったけれど、大自然の中のホテルに泊まって快適に過ごせるのも、こうやって支えている人がいるおかげなんだ、と気が付きました。
これ以降は夜明けまで写真を撮っていなかったので、大まかな記録になります。
24時頃 (時差-1時間) マウント・ロブソン・ビジターセンター
ジャスパーからマウント・ロブソンまでは、通常であれば1時間くらいのドライブですが、夜中でたくさんの車が走っていたので、多分1時間半くらいかかり、パシフィックタイムの24時頃マウント・ロブソン・ビジターセンターに着きました。
ビジターセンターには大きな駐車場があるのですが、我が家が着いた時にはすでに9割くらいは埋まっていたと思います。奥の方の暗くて静かなところに駐車できたので、そこで明るくなるまで仮眠を取るつもりでした。
息子はジャスパーの渋滞を抜けるとすぐに寝落ちしていましたが、娘はこの時まだ起きていました。そして、ここに来て恐怖が襲ってきてしまったようでした。
夫と私は寝ようとしましたが、娘が「ねえ、ここにあと何分いるの?全然寝れない」などと10分に1回くらい話しかけてくるので、どうにも寝られません。私は寝なくてもいいけど、ドライバーの夫には寝てもらわないと困ります。手を繋いだり、「もう大丈夫だよ」と声をかけたりしましたが、暗い中停まっているのが不安だったようで、「お父さんが寝ないといけないから静かにしよう。」と何度言ってもダメでした。途中で雨が降ってきて、車の中で雨音が響くのもダメだったようです。
そんなわけで、全く寝られないので、ドライバーの夫は先へ進むと決断!!
25時半頃 マウント・ロブソン・ビジターセンターを出発
多分マウント・ロブソン・ビジターセンターで1時間半〜2時間くらい休憩したと思います。
ビジターセンターの駐車場を出ると、駐車場の周りの道路にもたくさんの車が停まっていました。
16号線は、この時間でもまだジャスパー方面から車が来ていました。後でニュースを見たら、街を出るのに3時間以上かかった人もいたようです。
マウント・ロブソンのあたりはけっこう激しい雨が降っており、暗闇&雨の中のドライブ。しかも途中から霧も出てきて、数メートル先も見えなくて、ドライバーの夫は余計に気疲れしたと思います。(ジャスパーで雨が降ればいいのに、ジャスパーには降らなかったみたいです。)
車が動き出して、娘はようやくウトウトし始めました。そして、夫には申し訳ないけれど、助手席の私も…。途中目覚めては夫に「大丈夫?」と声をかけて、またしばらくするとウトウト。この日のドライブはずっとそんな感じでした。
マウント・ロブソンから2時間近くドライブして、お昼にハンバーガーを食べたブルー・リバーという街で休憩。ビジターセンターのようなところはないので、モーテルの前の広めの道に路駐しました。
夫が仮眠するためだったのですが、車を停めたら、なんと娘が起きてしまいました😱 そして、マウント・ロブソンの時と同じことの繰り返し。
夫は運転中はすごく眠かったと思いますが、ここでも眠れず😣
ちなみに、ハイキュー!!の話以降ほとんど話に出てこない息子は、マウント・ロブソンで一度起きましたが、動いていても停まっていても、暗い間はほとんど寝ていました。眠りの才能があるのかしら?うらやましい。
そんなわけで、ブルー・リバーでは30分くらい休憩して、夫は全く寝れないまま再出発。
次の休憩ポイントは、ムースの銅像があったクリア・ウォーター。6時頃到着したのですが、ここのビジター・センターの駐車場は閉まっていて車を停められませんでした。
どうしようかと地図を調べて、近くのモールへ。Tim Hortonsというカナダのミスドのようなお店が開店していたので、そこで休憩することにしました。
長くなったので、続きは5日目の記録に書きたいと思います。
旅行の計画を立てる段階で、山火事のリスクがあることは分かっていたつもりでした。昨年もカナダのイエローナイフで大規模な山火事があり、住民が避難したというニュースも知っていました。
旅行直前に天気予報をチェックすると、カナダなのに40度近い日がたくさんあり、「どうか山火事が起きませんように🙏」と願っていました。天気予報では、7月22日までが猛暑で、それ以降は少し気温が下がる予報。
7月22日にジャスパーに着き、「これで山火事で旅行をキャンセルということはないな」と思っていたところに、まさかの避難命令でした。
まさに青天の霹靂!ただ、不幸中の幸いだったことがいくつかありました。
1. 早い段階で避難できた
我が家は比較的早い段階で避難したので、1時間半ほどの渋滞ですみました。全員無事に避難はできたとはいえ、あの状況にあれ以上長くいたら精神的にしんどかったと思います。
2. 直前にガソリンを満タンにしていた
前の記事に書いた通り、ホテルへ戻る前にガソリンを満タンにしていました。もしガソリンが空に近かったら、渋滞中の不安はさぞや大きかったと思います。
3. 避難経路が通ったことのある道だった
直前に避難経路の16号線を通っていたので、どれくらい走るとどんな街があるのか分かっていたのも心強かったです。
4. 大きな車を借りていた
旅行記の最初の方に書きましたが、今回は大きめのSUVを借りていたので、ゆとりのある空間で休憩できたのはよかったです。(夫は寝れなかったけど😞)
こうやってあの晩を振り返ってみて、改めて大変な事態だったなぁと思います。娘も寝れないわけだ。怖かった。火に焼かれて死ぬのは怖い。私も、マウント・ロブソンではホッとして涙が出てきたんだった😂
そうそう、慌てて逃げ出したので、娘のKindleをホテルに忘れてきてしまいました。それ以外は全部持ち出せたことを褒めたい👏 Kindleはそのうち新しいのを買ってあげようと思います。
以上、旅行4日目夜の緊急避難編でした。
つづく。








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